相撲よ 第2部(中)

「改革するところを間違えるな」脚本家の内館牧子さん(67)

 亡くなった北の湖理事長が見事だと思ったのは、保守するところと改革するところをはっきり見据えて、ブレなかったこと。いま若い女の子がどうしてあんなにたくさん見に来ているのか。大相撲のような伝統や文化をほかでは見られないからですよ。新しい近代的なオリンピックスポーツのように変えていたら、こんなに人は戻りません。

 あとは日本人が実績を残さないと。私はいまも稀勢の里に絶大な期待を寄せています。彼はちゃんこの味が染みていて、昭和のお相撲さんの心、体、それに美がある。昔のメンコに出てくる力士のようにね。

 理想としては稀勢の里が横綱になって、豪栄道にも何とか立ち直ってもらう。そして、遠藤が三役から大関を狙えるところまでいけば。あと勢(いきおい)はビジュアル面でも女の子を呼べるし、輝(かがやき)もいいですね。

 最近の白鵬にはすっかり関心が失せました。

 猫だましとか、振り上げるような懸賞金の受け取り方だけでも見ていて恥ずかしい。私が知っている限りで決しておごる人間ではありませんでした。ですから外国人力士の中で最も評価し、最も好きだったけど「肌の色は関係ない」と発言したあたりからおかしくなったように感じる。

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