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岸田外相が頭を下げた! 「慰安婦」日韓合意、日本相手なら何でもあり? 事実に反する韓国紙の演出

 慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意について、両国メディアの報道ぶりが対照的だった。

 翌日の日本の主要各紙は1面トップの扱いで、主見出しに「合意」「決着」の文字が躍っていた。写真は判で押したように、岸田文雄外相と韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相の握手シーンである。

 一方、韓国紙はどうだったか。3大紙(保守系紙)と呼ばれる朝鮮日報、中央日報、東亜日報と、左派系紙ハンギョレを見てみると、各紙とも1面トップなのは日本と同じだが、主見出しに「合意」がない。代わりに目についたのは「謝罪」「責任」の文字。がっちり握手した写真を載せたのも東亜日報だけである。

 「韓国と日本が手を結ぶということを結局は認めたくないんですよ」とは韓国人記者の弁だ。が、驚くべきはこんなことではない。

 3大紙全てに掲載された一枚の写真がある。岸田外相が尹外相に頭を下げているように見える写真だ。尹外相の背後の国旗に、岸田外相が一礼した瞬間をとらえたものだった。国旗に一礼するシーンにニュース性はない。韓国側の編集意図は明らかである。

 事実に反する演出は言論人として厳に慎むべきだ。日本が相手なら何でも許される-そんな時代にも幕を下ろそうではないか。(藤本欣也)

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