政治への関心喚起する一冊 「当確師」を刊行の真山仁さん

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 人気作家、真山仁さん(53)の新作『当確師』(中央公論新社)は、痛快な選挙エンターテインメント小説だ。当選確率99%というスゴ腕の選挙コンサルタントが、圧倒的な人気と基盤を誇る首長の3選阻止に挑む。さまざまな人々の思惑や欲望、虚栄心が交錯する選挙をクールに眺める主人公の視線が印象的。「小説家になるときからずっと『政治の小説を書きたい』と思っていた」という真山さんが、ダーティーヒーローに託した思いとは-。(篠原知存)

 〈あんた、選挙を舐(な)めてんのか〉〈いいか、坊や。選挙は戦争なんだ〉〈愚かな有権者に妄想を抱かせねばならない。民主主義の主役は有権者なのだと〉

 「当確師」を名乗る聖達磨(ひじり・たつま)は、勝つために手段を選ばない。平気で人をだましたりする。態度は横柄で、口は悪いし、考え方はドライ。あえて主人公をそういう設定にしたという。

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