顧客の囲い込みに有効とされる電子マネーの導入をめぐって、コンビニエンスストア業界2位のローソンの動きが急だ。昨年11月に自前の電子マネー「おさいふPonta(ポンタ)」を導入したかと思えば、12月15日には全店で、流通大手イオンの電子マネー「WAON(ワオン)」の決済も始めた。矢継ぎ早の電子マネー導入は、業界首位のセブン-イレブン・ジャパンとの差が縮まらないことに加え、3位のファミリーマートと4位のサークルKサンクスが統合し、2位にのし上がることが背景にありそうだ。3位転落で危機感を強めたローソンが顧客獲得に向けて「なりふり構わぬ戦略を採り始めた」との見方が業界に広がっている。
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「ヘビーユーザーの方にはもっと買い物をしやすくしていきたい」。昨年11月24日に東京都内のホテルで行われたローソン40周年記念パーティーで、同社の玉塚元一社長は「おさいふポンタ」導入の狙いについてこう説明した。おさいふポンタはローソンがJCBなどと提携して作った独自の電子マネー。JCB加盟店の900万店で使用でき、2019年度末までに2000万枚普及させるのが目標だ。買い物に応じてローソンやJCB加盟店で利用できるポイントがたまる。ローソンなどで使用できる共通ポイント「Ponta(ポンタ)」カードからポイントを移行することも可能だ。