オリンピズム

新オリンピアード始まる(1)負担軽減を考える期間に…

 以下は岩波新書『古代オリンピック』を参照する。

 オリンピアを統治、大会を主催する都市国家エリスはギリシャ全土に祭礼使節を派遣、招待者を募る。さらに、ゼウスをはじめとする神々に牛100頭をささげる大犠牲式や招待者らへの供応を準備しなければならない。大変な負担だが、各都市国家はエリスに返礼の品や神々への奉納の品を携え、大会に参加した。主催エリスの負担は案外軽かったのだという。

 しかし、現代の開催都市の負担は著しく重い。2012年ロンドンが2兆1千億円、14年ソチ冬季は5兆円。開催費用である。負担の大きさに、国際オリンピック委員会(IOC)は昨年末、中長期指針『アジェンダ2020』を決議、開催都市の軽減を打ち出した。

 それでも、流れは変わらない。22年冬季に続いて24年大会招致でも欧米の有力都市が辞退した。リオデジャネイロも、18年冬季開催予定の平昌も費用捻出にあえぐ。

 「大丈夫」と思われた東京も例外ではなかった。一度は白紙撤回された新国立競技場の建設費、1兆8千億円いや2兆円ともいわれる予算の膨張にどう手を打つか。

 古代の都市国家は参加負担に備え、4年の歳月が必要とされた。現代は開催都市が7年かけて準備する。

 新オリンピアードでは再度、オリンピックのあり方を問うべきだと思う。(特別記者 佐野慎輔)

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