■ ■ ■
2人は、昭和61年、このシリーズで初めて共演を果たした。柴田のことを「恭さま」と呼ぶ舘は、「最初は、やりにくい役者だと思ったね。でも、やがて自分が嫉妬していることに気づいた。軽い芝居、スピーディーな芝居、キレのいいせりふ…。僕にできないことができる人だった」
一方の柴田も、「当時の舘さんは、『こんな人、テレビに出していいの?』っていうくらい危険な香りがプンプンしていたが、本当は照れ屋でチャーミングな人だとすぐに分かった」と笑う。
「あぶデカ」はなぜこれほど支持されたのか。
柴田は「僕らのような、当時の若手俳優たちの意見をどんどん取り入れてくれる現場だった。衣装やせりふ、スタントなどについて、『もっと格好良くしよう』と、みんなががんばっていたからね」と分析。
舘は「僕と恭さま、トオル(仲村トオル)、オンコ(浅野温子)が持つパワーだと思う。今でも4人そろうと無敵になった気がする」と語る。本作でも浅野はさまざまな衣装で存分に暴れ、今は演技派の役者となった仲村も、2人にからかわれる弟分を楽しそうに演じる。