朴槿恵政権との500日

加藤達也・前ソウル支局長の手記〜ソウル地裁法廷に充満した異様な空気…検事の手は震えていた

 私の元には、ある新聞社の旧知のOBが20年ぶりに連絡をしてきた。面会すると、私に「会社を辞めて、遺憾の意を表すべきだ」と切り出してきた。これにはさすがに絶句してしまった。

 昨年夏の問題発生当初には、あまりの圧迫感から吐き気を催したこともあった。しかし、そもそも、私のコラムは刑事訴追されるようなものだっただろうか? 何度も自問してきた。結局は安易な謝罪、遺憾表明をしなくてよかったと思っている。水面下で話し合いを持って、遺憾の意など示して折れてしまえば、将来も問題を蒸し返されて延々と弱みとなりかねないことは、日韓の歴史が証明している。中途半端な妥協をしなかったから、無罪となったと確信してもいる。

 「無罪」判決確定まで500日余り。これまでご心配、ご支援をしていただいた方々にこの場を借りて改めて感謝の気持ちをお伝えします。ありがとうございました。(社会部編集委員 加藤達也)