歴史事件簿

南太平洋海戦(上) 「俺が大和で…」焦る山本五十六 日本軍に立ちはだかったレーダーとヘンダーソン飛行場

 このためヘンダーソン飛行場の存在は大きかった。日本は陸軍の兵や装備の上陸を行い、最初の原因は戦いを甘くみていた陸海軍にもあるが、占領後に戦力を増強したアメリカ軍が制空権を抑えていたため、大規模な攻勢をとることができなかったのだ。

 日本もラバウルに一大航空勢力をもっていたが、1000キロ近くも離れ、ようやく航空機の行動半径に届くといったありさまで、決定的なダメージを与えることができない。

 「今の戦い、制空権なきものは敗れる」を承知していた連合艦隊司令長官の山本五十六大将にとって、ヘンダーソン飛行場は目の上のこぶの存在だった。

砲撃は成功するも…

 山本大将は砲撃の続行を決め、「金剛」「榛名」の2隻の巡洋戦艦からなる第3戦隊を指名する。重巡の20センチを上回る36センチ砲の破壊力。巡洋艦と比べて遜色ない30ノットの速さ。山本司令長官はトラック泊地に停泊中の戦艦「大和」に第3戦隊司令官の栗田健男中将を呼び、砲撃を要請する。

 栗田中将は「危険が大きい」と反対するが、山本司令長官が「それなら俺が大和で」と語気を強めてきたため、しぶしぶ11日午前3時半、出撃する。

 敵の目を欺くため北進後の午前8時、南進に転じて島を目指す。途中で第6戦隊の砲撃失敗を知り、偵察機から周辺に敵艦隊の情報が次々に入ることから警戒を強める。

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