歴史事件簿

南太平洋海戦(上) 「俺が大和で…」焦る山本五十六 日本軍に立ちはだかったレーダーとヘンダーソン飛行場

 アメリカ艦からの初弾命中は、これまでは精度が不足していたアメリカのレーダーが、いよいよ本格的に実戦段階に入ったことを示す証しだった。

 日本もレーダーの重要性は認識していた。1カ月半前の第2次ソロモン海戦では空母「翔鶴」搭載の「電探」が敵機の探知に成功したが機能は劣り、まだ目視に頼っていた。

 それだけに、アメリカにレーダー技術で先を越されたばかりか、日本側が得意にした夜戦が通用しない日がもうそこまで来ていることを思い知る衝撃的な出来事だったに違いない。

目の上のこぶ

 日本軍の目的はあくまでもガダルカナル島の奪回だった。そのためには島にのヘンダーソン飛行場に配置された航空兵力をそぎ、周辺海域で行動中の機動部隊を撃滅することだった。

 連合艦隊はミッドウェー作戦で4隻の主力空母を失ったものの、北太平洋のアリューシャン作戦中だった空母「飛鷹」「隼鷹」を中心とする第2航空戦隊を南に転進させるなど必勝態勢で臨んだ。

 この2隻の空母は豪華客船を改装した艦で、防御力や速力は、正規空母の「翔鶴」「瑞鶴」には劣るものの、船体は基準排水量24000トン級と大きく、同等の攻撃力を備えていた。

 一方、アメリカ側の空母は無傷の「ホーネット」のほか第2次ソロモン海戦で損傷し、まもなく修理を終える予定の「エンタープライズ」との2隻で日本の機動部隊と対峙(たいじ)しなればならず、いぜん不利な状況は続いていた。

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