カバン屋を後に、再び銀座を歩き始めると、確かに多くの中国人があのスーツケースを引っ張りながら歩いている。おそらくあの鞄店で買ったものだろう。爆買いの戦利品を持ち運ぶスーツケースも銀座で購入する。彼らが銀座を楽しむ流儀のように思えた。
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ただ、路上でスーツケースを広げる中国人らが他の客の通行の邪魔になっているのは、さすがに気になった。歩道にたむろしているので、その前にある飲食店に日本人とおぼしき老夫婦が入れないでいるのも目撃した。
さらに気になったのが、中央通り大型観光バスが路上駐車して渋滞を引き起こしていることだ。日本の観光会社がチャーターしたものだろうが、外国人観光客がいくらお金を落としてくれる存在とはいえ、問題だなと思わずには入られなかった。
日本政府観光局によると、1~11月の訪日外国人数は前年比1796万人と過去最高を記録。今後、さらに訪日客が増える見込みで、2020年東京五輪の開催前に2000万人を突破するのが確実になっている。
銀座にも今よりも訪日客が増え、街を闊歩するのは間違いないだろう。大人の街銀座はどうなってしまうのか。そんなことを考えながら銀座を後にした。(松元洋平)