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国産ロケットエンジンや心臓人工弁の開発をめぐる攻防を描き、高い視聴率を記録したTBSのドラマ「下町ロケット」。阿部寛さんが演じた主人公の佃航平をはじめとして、ものづくりに対する熱い思いを込めたせりふが共感を呼んだが、ドラマに迫真性をもたらした最大の立役者は、撮影に協力した企業の匠の技や最先端技術、それを支える開発現場だ。
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今年の8月、バルブ機器の有力メーカーであるフジキン(大阪市北区)に、つくば先端事業所(茨城県つくば市)を下町ロケットのロケ地として使用したいとの申し出があった。
業界団体である日本バルブ工業会からフジキンを紹介されたTBSは当初、佃航平が社長を務める「佃製作所」の本社を思い描いていた。しかし、同社は中小の町工場が並ぶ東京・蒲田の設定。フジキンの事業所は新しくて敷地面積が約11万5000平方メートルと広く、佃製作所のイメージとはかけ離れているため、帝国重工の拠点として活用することになった。