衝撃事件の核心

〝ブラック過労〟?で突然心肺停止 穴埋め勤務で3カ月休日ゼロ、24時間営業ファミレス店長の過酷

24時間営業のファミリーレストランの店長だった男性。深夜勤務のアルバイトが失踪したり、ベテランパートが病気で入院したりしたため人繰りが行き詰まった。過酷な勤務で休日がとれなくなり、上司に「助けて下さい」とSOSメールを送ったが…
24時間営業のファミリーレストランの店長だった男性。深夜勤務のアルバイトが失踪したり、ベテランパートが病気で入院したりしたため人繰りが行き詰まった。過酷な勤務で休日がとれなくなり、上司に「助けて下さい」とSOSメールを送ったが…

 どうして日本人はこうも働いてしまうのか。頑張って、頑張り過ぎて、心と身体が限界を迎えていることにすら気づくことができない。各地でチェーン展開するファミリーレストランの店長だった男性(38)が心疾患を発症したのは過重労働が原因だったとして、会社側に約8100万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。一時は心肺停止となり、助かったのは奇跡に近かった。死のふちから生還した男性を待ち受けていたのは、労災認定をめぐる会社との熾烈(しれつ)な攻防だった。

深夜アルバイトが失踪

 男性は平成19年4月、大阪府内の店舗の店長になった。24時間営業で、席数は約100。パート、アルバイト計20人以上が稼働する中規模店舗だった。就職前からアルバイトをしていた経験があり、それまでの店では仕事も楽しく、仲間ともうまくいっていた。責任ある店長となり「店のためお客さまのために」と、必死に働いていたという。

 だが25年4月、深夜勤務の外国人アルバイトが突然失踪したのを機に、歯車が急速に狂い出す。5月には主力のベテランパート従業員が病気で入院。すぐに人繰りに行き詰まり、店長の自分が穴埋めするしかなった。4月以降、心臓発作で倒れる7月まで、休日はゼロ。上司に「助けてください…」とSOSのメールをしたこともあったが、「頑張って~」と返信がきただけだった。

懇親会で心肺停止

 25年7月のその日、男性は近畿エリアの店長を集めた「店長会議」に参加していた。体調に特に異変は感じなかったが、気持ちの上では焦りを感じていたという。前日は店長会議で行うプレゼンテーションの準備に追われ、木曜日なのにまだ翌週のシフトができていなかったからだ。会議の間も、頭の中はたまっている仕事のことでいっぱいだった。