主役のひがみ
宮城県の主婦、Bさんのケースは、息子(5)が幼稚園の学芸会で主役になった日からいじめが始まった。
「Bさんはみんなからお金を借りている」「返してもらえなくて困っている人もたくさんいる」。Bさん自身、身に覚えのないことだったが、噂を流している相手は、同じクラスでずっと仲良くしていたママ友。そのママ友にしか話していない「家計が苦しい」ということが、拡大して伝わっていたのだ。
Bさんの場合、誤解がどんどん広まっていく現状に悩みながらも、家計の不満を家族以外に漏らした罪悪感から、しばらく夫には言い出せなかった。たまりかねて弁護士に対処法を聞いて、直接、相手に「これ以上続けば、法的手段に出ざるを得ない」と説得したところ、その後、書き込みは収ったという。
子供がきっかけに
「ママ友同士のトラブルは、子供がきっかけになることが多い」。ママ友トラブルの相談を数多く受けているというレイ法律事務所の佐藤大和、高橋知典・両弁護士は口をそろえる。
「自分の子供より目立っていた」「遊んでいるとき、自分の子供がぶたれた」など、些細なことでも子供が絡むと感情的になりやすいそうだ。
同事務所では、昨年からママ友いじめに関する相談を受け付けているが、今では月に数件の依頼が舞い込む。中でも多いのが、「悪口」「壊す」「隠す」の3つの手口。陰湿なものだと、ママ友同士で行った旅行の際、着替えの様子をスマホで撮影し、その画像をネット上で公開したケースもある。