今月上旬、民主、共産、維新、社民の野党4党は、学生団体「SEALDs(シールズ)」など安全保障関連法の廃止を目指す諸団体と提携し、来年夏の参議院議員選挙に際して「安保法廃止」を争点にして臨む方向で動き出したようである。
今夏の安保法制審議の最中、世の耳目を集めたのは、この学生団体を中心とした若者たちが法案反対運動に参集した姿であった。大人世代の「識者」の中には、件(くだん)の学生団体の活動を評して、「素晴らしい」とか「大きな希望」とかといった言葉で称揚する向きがあった。前に触れた野党4党の対応もまた、そうした学生団体の活動に期待する「空気」の中で浮上したものであろうことは、容易に推測できよう。
《人間社会の「複雑さ」を知る》
無論、選挙法改正により選挙権付与年齢が18歳に引き下げられることを考えれば、若者たちが政治に関心を持つように誘うことは大事である。政治に対する関心は、民主主義体制を成り立たせる一つの基盤である。