浪速風

さらに「よいお年を」

「海道東征」の壮大な演奏が響き渡ったコンサート=11月20日、大阪市北区のザ・シンフォニーホール(恵守乾撮影)
「海道東征」の壮大な演奏が響き渡ったコンサート=11月20日、大阪市北区のザ・シンフォニーホール(恵守乾撮影)

仕事納めは「よいお年を」が飛び交う。本来は「無事に年が越せますように」のようだが、「来年がよい年でありますよう」と願ってだ。ならば「今年は悪い年だったのか?」。テロや災害も相次いだし、人それぞれだろう。小欄は一番の感動を今年の書き納めにしたい。

▶11月20日、「海道東征」のコンサートを鑑賞した。信時潔(のぶとき・きよし)作曲、北原白秋作詩で、昭和15(1940)年に皇紀2600年の奉祝曲としてつくられた交声曲(カンタータ)である。「神坐(ま)しき、蒼空(あおぞら)と共に高く…」。大阪フィルハーモニー交響楽団と日本を代表する声楽家による壮大な「国造り」の物語に圧倒された。

▶アンコールで信時の代表曲「海ゆかば」を聴衆も一体となって合唱した。戦後生まれの小欄も自然に口をついて歌えたのが不思議だった。会場には日本人であることの誇り、喜びが充満した。戦後70年にして、ようやく呪縛から解き放たれたと感じた。この一事で「よい年」だった。