関西の議論

サメ肉のサンドはいかが? 魔法の水でアンモニア臭消えた 淡路島のご当地グルメに

 堀田さんは三枚におろしたサメ肉を、同社の水で半日ほどさらした後、低温の油でゆでて調理。身をほぐしてマヨネーズとあえ、ピクルスなどと一緒にパンで挟んだ。「ツナサンド」ならぬ「シャークサンド」と名付けたこのサンドイッチ、9月の試食会では「臭みもなく、鶏のささみ肉に似ている」と好評だった。

 サメ肉を使っているのに臭みがないのは、同社の特殊な水のおかげといい、それは実証実験でも確かめられた。特殊な水で処理したサメと普通の水道水を使ったサメでそれぞれシャークサンドを作って比較したところ、水道水のものだけ臭みが残ったという。

 武田さんは「商品化の際は冷凍のサメを使うことになるため、実験もいつもの状況で試そうと冷凍を使った」と説明。堀田さんはこの水を魔法の水と呼んでいるという。

 明治以来の歴史を持つサメ肉加工の先進地、宮城県気仙沼市の業者も、この加工法には注目。同市の水産加工業「中華高橋水産」は、水を使って臭いを取る処理法について「聞いたことがない」としながらも、「アンモニアは水溶性なので、『水の質』が何らかの作用を及ぼしているのかもしれない」と推測する。

 気仙沼港は国内最大のサメ水揚げ量(26年度約9700トン)を誇り、東日本大震災復興策の一環として25年ごろからヨシキリザメが給食の食材として活用されるなど、サメが食べられ始めているという。

会員限定記事会員サービス詳細