日韓の要求は互いにハードルが高く、会談の展開は「予断を許さない状況」(外務省筋)となっている。支援金をめぐっては、日本政府は韓国人の元慰安婦だけを対象にした基金を新たに創設し、数億円の支援金を一括支給する考え。支出は最終的なもので、韓国の拠出も求めている。
安倍晋三首相は8月に発表した戦後70年談話で、元慰安婦を含め「戦場の陰には深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも忘れてはなりません」と言及。こうした思いを反映し、新基金は外務省予算に毎年度計上している「アジア女性基金」(平成19年解散)のフォローアップ事業(医薬品などの提供)の韓国分約1200万円を10~15年分まとめて支出することを想定している。政府関係者は「償い金ではない」と強調している。