岸田文雄外相が年末に韓国を訪問し、尹炳世外相との会談で慰安婦問題の妥結を探る。
国交正常化50周年の節目のうちに、事態を打開したいという日韓の考えが一致したのだろう。
岸田外相にはあくまで日本の立場、原則を貫くよう求めたい。妥結ありきの姿勢で協議に臨むことは許されない。
朝鮮半島での慰安婦募集に強制性はなく、日韓の賠償問題は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決済み」だ。
韓国側が求めるような、日本政府の法的責任を認めることはできず、補償金の支払いにも応じる必要はない。
妥結を求めるなら、これを最終決着とし、問題を蒸し返させないという点について、見極めがつくかどうかが重要である。
韓国側に対しては、まずソウルの在韓日本大使館前に違法設置された慰安婦像について、速やかに撤去するようはっきりと伝えるべきだ。
11月初めの安倍晋三首相と朴槿恵大統領による首脳会談で、両首脳は、慰安婦問題の早期妥結に向けた交渉加速で一致した。