主張

28年度予算案 大胆な歳出改革進めよ 補正による「抜け道」許すな

 ただ、足元の景気は停滞感が漂い、新興国経済が減速するリスクもある。成長の果実である税収増を財政再建につなげる政権の戦略は妥当だが、期待先行とならないか注意が必要だ。

 歳出総額が膨らんだのは高齢化に伴って社会保障費が増加したためである。今後3年間の一般歳出の伸びを計1・6兆円程度にするとした「目安」に沿って28年度の伸びを5300億円にとどめたのは一歩前進だが、歳出削減への取り組みはまだ足りない。

 主要項目では地方税収の増加に伴い地方交付税交付金を大きく削減した。リーマン・ショック後の危機対応として自治体の財源不足を補ってきた「別枠加算」を廃止したのは当然で、むしろ遅すぎたくらいである。

 微増となった公共事業は、27年度補正予算案にも盛り込まれている。それを踏まえて、さらに切り込む余地はなかったのか。

 他の政策も含めて予算の効果を厳しく見極め、予算配分を大胆に見直す工夫がほしかった。歳出改革の深化が必要である。

 歳出の3分の1を占める社会保障費は、財政再生計画で示した目安に沿って伸びを抑制した。診療報酬を8年ぶりのマイナス改定としたことが功を奏したもので、これ自体は評価できる。