正論

養子縁組中心の児童福祉実現を 日本財団会長・笹川陽平

 厚生労働省によると、13年度の人工妊娠中絶件数は18万6千件。一方で子供に恵まれず不妊治療を続ける夫婦は40万組に上ると推計されている。養子縁組が広く普及すれば、救われる命は間違いなく増える。

 家庭養護は愛着形成が行われる乳幼児期こそ必要である。国連の児童の代替的養護に関するガイドラインは「3歳未満の乳幼児は原則として家庭で養育するべきだ」としているが、就学前の乳幼児のすべてを原則、家庭養護の対象とするよう提案したい。

 社会的養護関連の年間予算は1千億円を超える。乳児1人当たりで見ると、公立乳児院が年間830万円、民間乳児院が630万円。これに対し里親委託は150万円と少なく、結果、予算の大半が施設運営費に充てられている。

 運用方法を見直すことで、現行予算の枠内でも社会的養護を里親、養子縁組中心に大きく転換することは可能なはずだ。関係者の勇断を強く促したい。(ささかわ ようへい)

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