知的障害者自立へ正社員契約 「エフピコ」八王子工場操業開始 東京

 八王子市で、知的障害者が正社員として1日8時間働き、月額約15万円と最低賃金以上の収入を得る「エフピコ八王子ウッド工場」(同市戸吹町)が操業を始めた。高級総菜や弁当などを詰める折り箱タイプの容器を、11人の知的障害者が月間70万個生産する。

 同工場を開設したのは、食品トレーや弁当・総菜容器最大手のエフピコ(広島県福山市)。平成26年11月にオープンした配送センターに併設し、社会福祉法人「蕗の会」(同市元八王子町)に運営を委託した。知的障害者は同会と雇用契約を結んだ正社員になる。

 工場内には自動機6ライン、手動機2ラインがあり、折り箱タイプ容器が次々に組み立てられ、仕上がりチェック後、梱包(こんぽう)されていた。日の出町から通勤する大沢貴明さん(32)は「品質の良い製品を作る、いい工場になるように頑張りたい」と仕事への意気込みを語る。

 22歳の娘が勤める八王子市の女性(51)は「1日8時間も働かせるのは不安だったが、今は本人も自信を持っている。最低賃金が保証されて、1人で自立する将来の見通しが立てられるのがうれしい」と話す。

 エフピコは食品トレーや食品容器の製造、使用済みトレー・容器のリサイクルなど繰り返し作業を、「パフォーマンスではない採算のとれる事業」(小松安弘会長)として子会社化するなどして全国展開。知的障害者を中心に18事業所で約370人を正社員として雇用し、従業員に占める障害者の比率は16%に達して、民間企業の平均値1・88%をはるかに上回る。

 蕗の会の岩沢六夫理事長は、エフピコのノウハウによって「(知的障害者の)能力を引き出して、最初は『こんなことはできない』と不安に思ったことができるようになった。信じられない思いだ」と語る。

 八王子市は「障害者の安定的な職場を確保するため、大いに期待している」(村松満副市長)と評価しており、工場見学の機会を設けるなどして障害者雇用拡大に向けた啓発にも活用する考えだ。 (三浦恒郎)

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