海道東征を紡ぐ 信時潔物語

(5)米宣教師アレクサンダー家の賛美歌、幼い心に響いた

大阪北教会に保管されているアレクサンダー宣教師の肖像写真入りの十字架
大阪北教会に保管されているアレクサンダー宣教師の肖像写真入りの十字架

交声曲「海道東征」が11月28日、福岡市のアクロス福岡シンフォニーホールで公演されます。これに合わせ平成27年8~9月に産経新聞で連載した「海道東征を紡ぐ―信時潔物語」をアーカイブ配信します。あらためて創作の背景や作品の歴史的意義についてお伝えできればと思います。肩書などは当時のままです。チケット販売に関しては産経iD(https://id.sankei.jp/e/4924)をごらんください。

「海道東征」と並ぶ信時潔のもう一つの代表作といえば「海ゆかば」。その優れた音楽性の源は一体、どこにあったのか-。

その謎を探るうえで重要な示唆を与えてくれるのが、大阪・中之島の大阪北教会に派遣されてきた、米国長老教会のアレクサンダー宣教師の存在だ。

アレクサンダー氏は、潔が生まれる10年前の明治10年、米国から海を越えて来日した。当時27歳。その面影は、いまも教会が大切に保管している十字架に見ることができる。持ち運びができるサイズの十字架に、小さな彼の肖像写真が埋め込まれているのだ。

キリスト教への強い信仰心を表す厳格な表情の中にも、どこか娘のいる父親としての心情温かな一面も感じさせる。家族思いの心情温かな人柄だったのではないだろうか。

そのひ孫にあたる女性、ジョアンナ・シェルトンさんが来日した際、教会関係者に貴重なエピソードを教えてくれた。アレクサンダー一家が愛唱していた賛美歌「King of Kings」があるという。

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