久保教授によると、カフェインの致死量は3グラム程度。男性が飲んでいた飲料には1本当たり150~170ミリグラムのカフェインが含まれていた。短時間に約20本飲むと致死量に至る計算だ。
男性は死亡の1週間前から寝坊で遅刻が続いていたらしく、普段より多量に摂取した可能性も。胃にはカフェイン錠剤らしき破片もあり、久保教授は「20本飲まなくても、錠剤などとの併用で死亡につながった可能性がある」と指摘する。
一般的にコーヒー1杯に含まれるカフェインは約100ミリグラム。こちらは30杯を立て続けに飲むと致死量に達する計算だが、ヒガノクリニックの日向野春総院長は「コーヒー好きの人がふだん飲んでいる程度の量なら何の問題もない」。ただし、カフェイン摂取を止めて禁断症状でうつになり自殺するなどのケースは海外であるという。
薬物依存に詳しい国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦氏は「カフェインは心臓に作用して心拍数を上げるが、耐性ができやすくすぐ効きが悪くなり、どんどん多くとるようになる。多量摂取やアルコールとの併用などは危険だ」と話している。