「建物の形ではなく森と融合した建築。それがレガシー(遺産)になり、日本らしさではないかと思う」
新国立競技場のA案でデザインを手がけた隈研吾氏は22日の記者会見で、自己主張を抑え周囲の木々と一体化した今回の設計を「日本らしさ」と表現した。
午後3時に始まった会見は、A案とB案を採点した審査委員会の委員らによる選定経緯の説明と、A案を担当する隈氏や大成建設などによる設計や施工の説明の2部構成で行われた。
革のジャケット姿の隈氏は、プロジェクターを使ってA案の設計概要を説明。木の多用や太陽光発電の利用など、環境への配慮もアピールした。これまで沈黙を守ってきただけに、隈氏がマイクを握るたびに、おびただしい数のフラッシュがたかれた。
旧建設計画でデザインを担当したザハ・ハディド氏側から「スタンドの座席が似ている」と指摘があったことを問われると、「形状が全く違う」ときっぱり答えた。
一方、大成建設の山内隆司会長は、深刻な建設業界の人手不足が施工に影響するかを問われ、「外国人労働者の導入も積極的に考えている」と話した。