その他の写真を見る (1/2枚)
19日に就任した吉村洋文大阪市長(大阪維新の会政調会長)が21日朝、初登庁した。橋下徹前市長から引き継ぎを受け、「ポスト橋下」市政が本格的にスタート。対立相手を激しく攻撃する橋下流を転換し、「対話と協調」を掲げる吉村氏の手腕が注目される。
「がんばれ、吉村さーん」。市役所正面玄関で黒のワゴン車から降り立った吉村市長は、駆けつけた維新市議や市民から大きな歓声で迎えられた。吉村市長は満面の笑顔で手を挙げて声援に応え、市職員らに何度も丁寧に頭を下げた。
その後、橋下前市長と面会し、引き継ぎ書に署名。橋下前市長は「大阪の未来を託せる人物で心強い」と声をかけ、吉村市長は「市政改革の道筋を付けていただいた。さらに前に進めていく」と決意を語った。
吉村市長は大阪市議を1期務め、昨年12月の衆院選で比例復活当選。今年11月の市長選で橋下氏から後継指名を受けて立候補し、自民党推薦の元市議らを大差で破って初当選した。
今月8日から市幹部職員らと相次いで面会し、重要政策の説明を受けるなど就任準備を進めてきた。
25日に市議会本会議で施政方針演説に臨む。大阪の「副首都」化や市営交通民営化を掲げて橋下市政の継承を表明する一方、対話と協調を重んじる姿勢も強調。教育・子育て支援の拡充など市長選で訴えた施策の推進をあらためて訴える方向で調整している。
市を廃止して特別区に分割し、府とともに行政機能を再編する「大阪都構想」や副首都化の実現にも意欲を示す。ただ、大阪維新は市と府の両議会で過半数の議席を持っておらず、吉村市長は合意形成を重視する考えだ。21日午後に公明党の市議団などを訪ね、市政運営への協力を呼び掛ける。