日曜講座 少子高齢時代

農業人口激減への対策 ビジネス化で若者取り込め

市街地の自宅から通う

 もう一つ提案したいのが「通勤型農業」だ。東京などでは通勤時間が1時間といったサラリーマンは珍しくない。これをお手本として、市街地に住み、そこから農地や「野菜工場」までマイカー通勤するのである。

 人口減少に伴って商店街や学校、病院がなくなった地域が増え、それが若者の農業離れの一因ともなってきた。

 販売農家のうち第2種兼業農家(兼業所得が農業所得よりも多い)が54・3%を占める。農村部に暮らしながら平日は近隣市街地の会社に通勤し、土日だけ老いた親を手伝って農業をしている人は少なくないということだ。

 「通勤型農業」は、こういう人たちとは逆に「平日は通勤先の農村で農業に汗を流し、休日は市街地の自宅で過ごす」というライフスタイルである。市街地に自宅があれば、子供の教育や病気を気に掛けなくてもよい。

 これらのアイデアは過去の常識にとらわれていたのでは実現しない。だが、このまま農地を耕す人の減少を許せば、いつか、日本列島から農村は姿を消すことになる。

会員限定記事会員サービス詳細