インタビュー

ニュースを読む奥深さ、一朝一夕にはできない フジテレビアナウンサー・境鶴丸さん(上)

 自分なりに理解を深め、報道スタッフの信頼を得ていった平成23年3月11日午後2時46分、東日本大震災が発生する。

 尋常でない揺れに、「カットイン(番組を中断して緊急ニュースを放送すること)になるだろう」と身構えた。急いで報道センターに向かい、第一報を伝えた。「冷静な部分もあったと思うのですが、後から映像を見ると10分間くらいは声が上ずっていましたね。極度の恐怖と緊張感だったのでしょう」と振り返る。入ってくる数少ない情報をつなぎ、夜中まで放送を続けた。「放送後、甚大な被害が分かってきてがくぜんとしました」

 新潟県中越地震や北朝鮮によるミサイル発射でもカットインを経験している。「大きな事件・事故が起きたときはアナウンサー自身が放送をつないでいかなくてはなりません。数少ない情報を必要性や重要性を勘案しながら、自分で考えて発信していきます」

 アナウンサーの役割の一つは記者の書いた原稿を、視聴者がより分かりやすいように表現を工夫して伝えることだという。「記者が重視する『新しさ』『情報量の多さ』『正確さ』に『分かりやすさ』を入れたい。テレビの世界でしか通用しない言葉の選び方や感覚をなるべくお茶の間の感覚に近づけたいのです」。そのためにも他の業界の人と積極的に交流している。

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