貧しい国(人)が豊かになると戦争が起きる。これは物理的必然であり、歴史が証明する事実である。なぜならば、世界に存在する物の量には限界が存在し、資源の奪い合いが起きるからだ。その典型が食料であり、豊かになれば肉食が増え、それが穀物の不足を招く。一般にカロリーベースで見た場合、鳥で6倍、豚で8倍、牛で12倍の穀物が必要といわれている。このため、仏教やイスラム、ヒンズーなど宗教の食の禁忌も、食べ物の奪い合いを防ぐ手立てだったといわれている。
今一番問題になっているのが中国である。中国は経済発展により得られた利益を軍備の拡張や国際的な利権の確保に充ててきた。これには国際社会での影響力拡大だけではなく、将来の資源確保の意味合いも強い。
国家の発展に伴い国家の維持のために必要となる食料やエネルギーが急増する。これを確保できなければ国家の発展は停滞し、国民の不満は政府に向かう。これを避けるためには国土を拡大し、エネルギーの絶対的確保をする必要がある。結果的にそれは紛争や戦争の原因になってゆく。その典型が南シナ海の領有権問題であり尖閣諸島問題である。中国は単に領土を拡大したいだけでなく、その周辺海域の海底に眠る資源を自国のものにしたいわけだ。