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NTTの電話帳に掲載された個人情報をインターネット上に転載することはプライバシー権の侵害にあたるのか。京都市の男性が、インターネットサイト「ネットの電話帳」に転載された個人情報の削除をサイトの運営者に求めて今夏、京都地裁に訴訟を提起した。ネット上の個人情報をめぐる問題では、ほかにも大手検索サイト「ヤフー」などの検索結果の削除を求める訴訟も注目を集めている。ネット社会の今、プライバシー保護とのバランスをどうはかればいいのか。
「夜中に非通知の電話…不安」
ネットの電話帳をめぐる訴訟の訴状などによると、サイト運営者の男性はNTTの電話帳に載っていた原告男性の氏名、住所、電話番号を「ネットの電話帳」に転載し、不特定多数の人が閲覧可能な状態にしたと指摘。原告は「プライバシー権を侵害している」と主張している。
ネットの電話帳は、連絡を取りたい人がいるが、電話番号が分からない-。そんなときに検索すれば、電話番号や住所が分かる便利なサイトとされる。
サイト情報のもとになっているのはNTTの個人名電話帳「ハローページ」。今回の訴訟で問われているのは、電話帳に掲載された個人情報をインターネット上に転載することはプライバシー権の侵害にあたるのか否かという問題だ。
原告の代理人弁護士によると、原告は10年以上前にNTTの電話帳への連絡先の記載を断った。しかし、知らない間に個人情報がネットに転載され、「夜中に非通知の電話があると不安になる」と心配しているという。代理人は「図書館で閲覧できる電話帳と、ネット上で簡単にアクセスできる電話帳は異なる」と指摘する。