ソウル中央地裁が下した加藤達也前ソウル支局長に対する無罪判決の要旨は以下の通り。
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・記事の作成は、韓国で起きたことを日本語で日本の読者に向けて伝えることが目的だったと判断する。
・記事は国家的関心事である「セウォル号沈没事故」について書かれたものであり、事故当日の朴槿恵(パク・クネ)大統領の動静についても韓国国内では関心を集めた。
・記事に鄭ユンフェ氏の名を出したことは軽率ではあるが、関心事は鄭氏ではなく、朴大統領だった。
・大統領は公人、公職者であり、その特殊性から公私の区別は難しい。
・記事は個人や私人への攻撃ではなく、公人である大統領としての朴氏を対象に書かれたものだ。
・記事には朴大統領を誹謗する目的は認められず、名誉毀損も認めらない。
・記事には不適切な点や、韓国国民として受け入れがたいものもあるが、「言論の自由保護の領域には含まれる」と判断する。
・朴大統領の男女関係についての部分は引用したとはいえ、「客観的事実」に合致しないため、「虚偽」とみる。しかし、鄭ユンフェ氏を誹謗する目的があったとはいえない。