湯浅博の世界読解

今年の漢字、世界は「爆」だ シリア発の激震は「靖国爆発」の日本にも及ぶ?

今年1年を象徴する漢字は、やや内向きの安保法制、円安の「安」なのだという。だが、世界を眺めればロシア機爆破、「イスラム国」(IS)空爆、自爆テロの続発からみて「爆」以外には考えられない。ちなみに、日本の安保法制も世界の変化に対応したものだ。

「爆」の震源地はシリアの中東であり、激震は欧州から米国を揺さぶった。遠く離れた日本でも、危うく靖国神社の一部が爆破されるところだった。ロシアがシリア空爆を開始して以来、ロシア機が爆破され、ベイルートの自爆テロ事件で40人以上が死亡した翌日には、パリで同時多発テロが起きた。トルコがそのロシア軍機を撃墜すると、それまでの国家とテロ組織による「非対称の熱戦」が、国家と国家による「対称の冷戦」に飛び火した。

もともと、中国による南シナ海の独り占め戦術や、ロシアによるウクライナのクリミア半島併合は、中露による米欧の自由主義秩序への挑戦であった。これにISが、両方の秩序をひっくり返そうと三つどもえの衝突が表面化した。

欧州では、3つの「爆」によって欧州連合(EU)の統合そのものが危険にさらされている。