浪速風

年賀状で感じる高齢化社会

年賀状引受開始セレモニーに出席した京都宮川町の舞妓、里春さん(右)と叶子さん=15日午前、京都中央郵便局
年賀状引受開始セレモニーに出席した京都宮川町の舞妓、里春さん(右)と叶子さん=15日午前、京都中央郵便局

作家の池波正太郎さんは、年が明けるとまもなく、翌年の年賀状の絵を描き、印刷に出した。家人が「こんなに早くつくってしまって、もしも万一、あなたがどうかなったときは、どうしますか?」と尋ねた。「喪中につきなんて通知を出さなくともいいから、できあがっている賀状を出せばいいよ」

▶昨日から年賀状の受け付けが始まった。池波さんは元旦に届くよう、必ず開始日に郵便局へ持って行ったそうだが、小欄はいつも年末ぎりぎりである。届いた喪中はがきを見ながら、ふと思った。今年は葬儀に出ることがあまりなかった。家族葬が増えているのが理由だろう。

▶身内で静かにお別れをという心情に加えて、葬儀費用も安くてすむ。学校時代や勤め先の友人、知人も老齢で、知らされても参列が難しい。これも高齢化社会の断面か。年賀状は年々、枚数が少なくなる。池波さんは平成2年5月3日に亡くなったが、遺言通りに年賀状を出したのだろうか。