高齢者の地方移住、対象「50代以上」に引き下げ 「お試し居住」も提起 日本版CCRC有識者会議が最終報告

 高齢者の地方への移住を促す「生涯活躍のまち(日本版CCRC)」構想を議論してきた政府の有識者会議(座長・増田寛也元総務相)は11日、最終報告書を取りまとめ、石破茂地方創生担当相に提出した。8月の中間報告で「65歳以上」としていたCCRCへの移住対象者を「50代以上」に引き下げたことが柱。幅広い年齢層のコミュニティーを形成し、持続的な安定性を持たせる狙いがある。

 CCRCは特別養護老人ホームなど既存の福祉施設とは異なり、健康なうちから地方に移住して作る新しいコミュニティーのこと。移住後は地域社会の一員として積極的な社会参加が期待されている。石破氏は報告書を受け取った後、記者団に対し「東京の過度な一極集中を是正し、地方に活力や人の流れを作っていく。構想実現に向けて努力したい」と述べた。

 最終報告書の内容は、平成31年度までの地方創生に関する施策の方向性を示した国の「総合戦略」に反映させ、来年度以降に必要な法整備などを行う。内閣官房に「生涯活躍のまち支援チーム(仮称)」を来年1月にも設置し、事業を普及させることも盛り込んだ。

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