政府は11日、平成28年度予算案の防衛費で、12機を一括調達する予定だった陸上自衛隊の垂直離着陸輸送機V22オスプレイを4機の取得にとどめる方向で調整に入った。一括調達によるコスト削減の効果が不透明と判断した。また、28年度の防衛費は初めて5兆円を超える見通しであることも明らかになった。
防衛省は30年度までの中期防衛力整備計画(中期防)で、オスプレイを17機導入する方針を示している。このうち5機は27年度予算で購入。残り12機を一括調達するため、28年度予算の概算要求に1321億円を盛り込んでいた。
防衛省は、オスプレイを一括調達することで、毎年購入するより183億円を浮かせられるとしていた。ただ、政府内の折衝で「為替変動などの観点から効果が確実とはいえない」とされ、4機の計上にとどめる方向となった。また、自民党内からは「大型装備の輸入が増えると、弾薬など国内の防衛産業に予算が回らず、打撃を受けている」との指摘も出ていた。