東京都台東区日本堤の「いろは会商店街」は、1960年代に流行した漫画「あしたのジョー」の舞台として売り出している。
あしたのジョーは「週刊少年マガジン」に1968年から73年まで連載された人気ボクシング漫画で、原作は高森朝雄(梶原一騎)、作画はちばてつや。
東京・山谷に現れた矢吹丈(ジョー)のけんかに、ボクサー崩れの丹下段平は天才的なボクシングの才能を見る。
やがて少年院へ収監されてしまったジョーに、段平から「あしたのために」と書かれたはがきが届き、ジョーは「通信教育」でボクサーへの道を歩み始めた。そこで出会った力石徹にかなわなかったジョーは出所後、プロライセンスを取り、力石とのリング上での闘いに挑むのだが…。
当時の若者に大人気となり、ジョーとの対戦後、無理な減量がたたって力石が死んだときには、詩人の寺山修司やミュージカル劇団・東京キッドブラザース主宰の東由多加らが呼びかけ、東京・音羽の講談社で葬儀が行われたほどだ。
その山谷にほど近いのがいろは会商店街。東側は吉野通りに接しており、このあたりは簡易宿泊所が多い場所だ。
作品の舞台に名乗り
いろは会と「あしたのジョー」との縁は、NEWS(当時)の山下智久(山ピー)が主演した2011年公開の実写版映画で、製作委員会の講談社やTBSなどが探していたプロモーション先として、いろは会が応募したのが始まりだという。
2010年秋からは「あしたのジョーのふるさと祭り」を開催。テレビアニメの主題歌を歌った尾藤イサオさんのミニライブ(もちろんあしたのジョーのテーマも熱唱)やいろいろな屋台が出店した。11年には映画の小道具なども並んだ。
12年には矢吹丈のフィギュアが登場。強化プラスチック素材による高さ約190センチメートルのカラー像で、ジョーが上着を肩にかけて振り返るおなじみのスタイルだ。ちょっと背が高いと感じるのは実際(誰が決めた?)の1・3倍だからだそうだ。