探偵による尾行が違法なつきまとい行為に当たるとして、大阪府公安委員会が2つの探偵業者に出した行政処分について、「手続きに瑕(か)疵(し)があった」として取り消す方針を固めたことが8日、分かった。処分をめぐっては、業者側が「尾行は探偵業法で認められており、営業の自由を不当に侵害している」と府に取り消しを求める行政訴訟を大阪地裁に起こし、尾行とつきまといの線引きについて2年余りにわたり法廷闘争が繰り広げられていた。
探偵業法を所管する大阪府警保安課によると、9日に開く府公安委員会で取り消しを審議する。
問題となったのは、平成25年6月に大阪市内の2業者に出された探偵業法に基づく指示処分。2業者は府内の40代女性の素行調査中に尾行を察知され、それまでの2日間の調査が法令違反のつきまとい行為に当たるとして、再発防止を指示されていた。
業者側は訴訟で、素行調査は保険金の不正受給疑惑を明らかにするという正当な目的だったと主張。「不法行為を探偵に暴かれそうになった人が警察に『つきまとい』を訴えれば、逆に探偵が処分されるというのはあまりに不合理だ」と適法性を強調していた。