東京の地下駅に迫る「危険水位」 JR横須賀線12時間半運休の背景に大量地下水

 線路を冠水させるほど大量の地下水が発生したのはなぜだろうか。

想定外の地下水回復

 「実は、東京駅地下では地下水位が徐々に上昇しているんです」と、東京都水環境課の担当者。同課によると、戦前から戦後にかけ、東京近辺では工業用水として地下水を大量に使用し地盤が沈下。そこで昭和30年代以降、都条例などで地下水の使用が規制された。この結果、地下水は徐々に回復したが、代わりに浮上したのが地下構造物への漏水問題だった。担当者は「高度経済成長期に造られた地下施設などでは地下水の回復は想定外だったようだ」と説明する。

 東京駅地下5階にある総武線ホームでは、地下水の流入量が増えたため、平成12年にはホームが地下水の浮力で浮かび上がらないよう130本のアンカーボルトを打ち込む補強工事を行っている。

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