江藤詩文の世界鉄道旅

グレッシャー・エクスプレス〈氷河特急〉(5)名物の飲み口ななめグラスは飲みやすい?自腹で検証

 くだんの斬新なデザインのグラスは、いまでは土産ものとして販売されているのみだが、やはり名物と聞けば使ってみたくなるのが人情というもの。乗客のなかには、もの珍しさと実用性を兼ねて、これを購入してワインを飲む人もいる。私もさっそくひとつお買い上げして、オリジナルラベルの白ワインを注いでみた。正直に言うと、大きくバウンスすればどんなグラスだってこぼれるわけで、そのうえななめが唇にあたって飲みづらいったらない。グラスのほかななめデザインシリーズのマグカップもあり、これにカフェオレやホットチョコレートを入れる人もいた。

 それにしても、さすがスイスを代表する観光列車らしく、土産ものが充実している。車内販売のワゴンにカメラを向けると、なんと商品を並べて見せてくれると言うではないか。「素敵なものがいっぱいあるから、日本のお友だちにも紹介してね」とアンティヤさん。スイス人の観光客の扱いのうまさといったら、ほんとうに舌を巻くばかりだ。

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