シニアの海外旅行「長距離移動は想像以上に負担」 診断書や保険…準備が大切

 まず旅行中に気を付けたいのが転倒だ。特に女性の場合は加齢とともに骨密度が低下し、骨折しやすい上、治りにくいので注意が必要だ。また、肺炎になると重症化しやすいため、出発前に肺炎球菌ワクチンを接種しておいた方がいい。

 高血圧などの持病がある場合には、事前に主治医に相談。奥田院長は「主治医に英文の診断書を用意してもらいましょう」とアドバイスする。既往症や服用中の薬剤、アレルギーの有無なども記入してもらおう。

 高額な医療費

 海外で医療機関を受診すると高額な費用がかかることがある。このため、海外旅行保険への加入も大切だ。クラブツーリズムの垣内さんは「『クレジットカードに保険が付いているから』と海外旅行保険に入らない人もいますが、カードの付帯保険だけでは、治療費や救援費などの補償内容が低く、十分でないこともある」と説明する。

 ジェイアイ傷害火災保険(千代田区)が平成22~26年度の5年間に、海外旅行保険で治療・救援費用として300万円以上の保険金を支払った重症事故を分析したところ、65歳以上が半数を超えた。シニアの重症事故の主な原因は、転倒や脳疾患、心疾患や肺炎だという。

 80代の男性がトルコの階段で転倒して骨折、肺炎を併発して42日間入院した後に医療チャーター機で帰国したケースでは、保険金の支払いが4100万円に上った。

 同社シニア商品開発プロジェクトリーダーの加藤修さんは「家族のためにも、出発前に十分に準備をしてほしい」と話している。