関西の議論

ポルノ雑誌・AV呑み込む「白ポスト」 尼崎発祥の有害図書投函システム、今なお現役

【関西の議論】ポルノ雑誌・AV呑み込む「白ポスト」 尼崎発祥の有害図書投函システム、今なお現役
【関西の議論】ポルノ雑誌・AV呑み込む「白ポスト」 尼崎発祥の有害図書投函システム、今なお現役
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 駅やバス亭に立ち、ポルノ雑誌や本、DVDなどの有害図書を投(とう)函(かん)する白ポストが、登場して約半世紀。昭和38年、兵庫県尼崎市が、ドラム缶を白く塗って街角に置いたのが始まりとされる。各地に広がり、各自治体が独自で設置、管理している。アダルト画像や動画が手軽に入手できるネット時代だが、ポルノ雑誌の付録にDVDが付くなど有害図書類の投函は増加傾向にあり、白ポストが青少年の環境浄化の役割を担っている。(横山由紀子)

ゴミを捨てる不届き者も…

 11月4日、兵庫県尼崎市のJR立花駅。改札を出て数十メートルの構内に、「有害図書類 回収ポスト」と書かれたステンレス製の白ポストが立つ。市職員が鍵を開けると、中から女性のヌード写真やわいせつな漫画が描かれた有害図書6冊が出てきた。ほかにも古新聞や紙くずや、菓子の空き箱などのゴミが混ざっている。

 「今日はありませんでしたが、最近はポルノ雑誌の付録にDVDが付いてくることが多くなり、DVDの投函がとても増えています」と、同市こども青少年局青少年課の岡田靖彦さん。また、ゴミが多く混ざることについて、「火の付いたタバコをポストの上で消して、吸い殻を入れていく人もいて困っています。ゴミは絶対に捨てないでください」と困惑顔だ。

 同市では、JR尼崎駅、阪神尼崎駅、阪急園田駅など計6カ所に白ポストを設置しており、1週間に1度、職員が投函物を回収している。投函物は、分類や集計を行なった上で、有害図書は専門業者によって溶解処分している。

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