今年も大賞候補50語の中には「自民党、感じ悪いよね」「戦争法案」「国民の理解が深まっていない」など、流行語というより一定の政治的立場の表明のような言葉が並んでいた。
「(選考委員は)ゆがみのない現実を映す鏡をつくったつもりだ」
選考委員長でジャーナリストの鳥越俊太郎氏は1日の式典でこう胸を張ったが、現実認識が曲がっていれば、ゆがんだ像もきれいに見えるのかもしれない。
そもそも、安倍内閣の支持率は安全保障関連法の成立後、上昇傾向にあり、多くの国民は「アベ政治を許さない」といわれてもピンとこないのではないか。
選考委員長の標語
報道各社の直近の世論調査をみると、日経新聞の11月27~29日の調査では内閣支持率は49%、共同通信の28~29日の調査でも48・3%とかなり高い水準にある。有権者のほぼ半数が支持する政権に対し、「許さない」と力んでも独りよがりというものだろう。