米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題をめぐり、抗議活動などで混乱が起きている沖縄県に11月から警視庁機動隊が派遣され、警備に従事している。安全保障関連法への反対活動を行ってきた学生グループ「SEALDs(シールズ)」が移設反対を宣言して現地入りするなど抗議の先鋭化の懸念が高まっており、県警の要請を受け派遣が決定した。
「問題は複雑で先行きが不透明。不測の事態を防ぐためにも、応援が不可欠だった」。警察関係者は基地をめぐる情勢と、今回の派遣について説明する。
警視庁機動隊は、11月4日から辺野古の米軍基地前で警備を開始。基地に出入りする車を阻止しようと道路に座り込む抗議者の説得などにあたっている。警視庁関係者によると、百数十人が交代で現地に入り、県警と連携して年明け以降も警備する見通し。警視庁機動隊はこれまでも沖縄に派遣され、重要施設の警備などを担当していたが、今回は現場での抗議活動にも対応する。
国は、普天間飛行場の移設先として辺野古の埋め立て工事を進める方針だったが、沖縄県の翁長雄志知事は、一度承認された埋め立てを取り消し。国と県の対立は深まっている。