中国・一人っ子政策の闇

戸籍なき子1300万人 学校にも病院にも行けない「ブラックチルドレン」の苦悩

 教育も医療も受けられなかった子供たち。きちんとした就職先などなく、結婚も出産も手続き上はできない。小学生のころの敏敏さんは、「将来は大学に進んで教師になりたい」と夢を描いていたというが、戸籍がなければそれも果たせない。36年間にわたって続いた「一人っ子政策」の闇が残した心の傷痕は、そう簡単に消えそうもない。

 「一人っ子政策が終わるのはいい知らせ。でも2人目の出産を誰にでも認める前に、政府は私たちのような子を真っ先に救ってくれなければ不公平よ。私は外国人じゃない。中国人なのよ」。敏敏さんの悲痛な叫びが耳に残った。(崇明島 河崎真澄)

一人っ子政策 中国政府が人口抑制のため、夫婦の子供は1人と出産を制限した国策。1979年に導入された後、農村の一部や少数民族に2人目や3人目を産むことを例外的に認めたほか、13年には都市部でも夫婦の一方が一人っ子であれば第2子を認めるなど、段階的に規制を緩めた。しかし、許可なく2人目を出産した違反者への巨額の罰金や、地元当局による強制的な堕胎への反発が強まり、農村で抗議や暴動が発生するなど深刻な社会問題も引き起こした。今年10月に廃止が決まった。

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