人民元国際通貨入りの波紋(上)

周到にIMFを攻略 中国寄りの欧州に米国孤立

 中国は米国が最大出資国のIMFにも周到な「布石」を4年前打っていた。

 フランス出身でIMFトップのラガルド専務理事が2011年6月に選出された際、「組織運営が欧米中心だ」との不満が新興国に噴出したが、中国はなぜかラガルド氏支持に回った。謎は翌月解けた。IMFは4人目の副専務理事のポストを新設、中国人が就任した。国際金融筋は「恩を売ったラガルド氏の在任中にSDR入りも果たせると踏んでいた」と、中国の戦略のしたたかさを指摘する。

 IMFには、人民元の採用を中国の金融制度改革につなげる思惑も見え隠れする。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁ら中国の金融改革派と連携し、習氏ら中国指導部に改革の重要性を認識させる戦略だ。

 しかし、経済減速が鮮明な中国が人民元取引の自由化を進めれば、人民元の先安感から中国から資本流出が進むリスクがあり、中国経済に不安要素が加わる。別の国際金融筋は「IMFは大局観を失っている」と眉をひそめる。米政府筋は「(SDR採用は)ステータスとしての意味はあっても、中国に実体的な利益をもたらすわけではない」として過大評価を戒める。