浪速風

「黙秘」が語るものは

憲法は「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」(38条1項)と保障している。さらに刑事訴訟法は、公判廷において被告人は「終始沈黙し、又は個々の質問に対し陳述を拒むことができる」(291条3項)としている。もとより黙秘権を否定するつもりはないが、どうにも釈然としない。

▶大阪府寝屋川市の中1男女殺害事件である。女子生徒に対する殺人罪で起訴された山田浩二被告(45)が今度は男子生徒の殺人容疑で再逮捕された。8月21日に逮捕されてもう3カ月以上になるが、弁護士が接見した直後から黙秘に転じたというから、助言があったのではないかと思える。

▶男子生徒は司法解剖でも死因を特定できなかった。捜査は病死や突然死などの可能性を消して「殺害」との結論にたどり着いた。殺害方法は真犯人しか知り得ない。真相が解明されなくては被害者も浮かばれない。無実というなら口を開くべきではないか。黙秘はかえって心証を悪くする。