政府機関移転は困難…群馬県議会「国の本気度に疑問」

 東京一極集中を是正するとして国が進める政府関係機関の地方移転で、県が国に提案した5機関の誘致が実現困難な状況になっていることが30日、わかった。同日の県議会一般質問で、織田沢俊幸県議(自民)の質問に対し、県企画部の笠原寛部長が「(移転条件には)解決が困難な課題がある」と応じ、高いハードルを課す国の姿勢に「(国の)本気度はいかがなものか」と苦言を呈した。

 国は政府機関移転を地方創生の柱に位置付け、8月末までに42道府県から計69機関の移転提案を受け付けた。これに対し、県は厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所(移転候補地・高崎市)、同省の国立健康・栄養研究所(同前橋市)、農林水産省の森林技術総合研修所(同下仁田町)、国土交通省の国土交通大学校(同前橋市・板倉町)、内閣府の国立公文書館(同藤岡市)-の5機関を提示。北海道や兵庫県は観光庁の移転を求めるなど、政府機関移転に対する各自治体の視線は熱い。

 一方、県はこれまでに5機関を所管する各省庁と意見交換を行ってきたが、国は施設整備に必要な新たな財政負担は極力抑制する方針を打ち出す一方、県には施設整備の不十分さを指摘し、アクセスの不便さを上回るメリットを求めるなど、移転条件は「難題のオンパレード」(織田沢県議)になっている。

 さらに国立社会保障・人口問題研究所と国立健康・栄養研究所については、「さらなる精査を要する機関」から外れ、事実上の1次選考を通過しなかったとの指摘もある。県幹部は「国が示した移転候補のリストから5機関を選んだが、移転に前向きなわけではなく、リストは都内の政府機関を列挙しただけ。現状と群馬に移転した場合のメリット、デメリットを単純比較されれば、メリットは少ない。地方創生はどこへ行ってしまったのか」と首をかしげた。