フランスのパリ第11大などが取得している先行の国際特許「羽ばたき翼式飛行体」(平成24年4月20日登録)では、左右の翼を同時に上下動させて浮揚し、尾翼を傾けることだけで旋回を行う。しかし、この動きは本物の鳥との違いが大きく、風や速度の変化に対して細かな調整ができず、小さな角度での旋回ができないなどと三菱重工業は指摘する。
新技術は、胴体部分と左右の主翼が作る角度を自在に変更できる機構を導入し、滑空や、高速での右旋・左旋、低速での急旋回などを可能した。図を見る限り、かなり鳥に近い動きになると期待できる。
富士重工は「有線式ドローン」に工夫
富士重工業(東京)は、今や「ドローン」と言えばこれというほどにシンボル化しているクワッドコプター(4回転翼機)についての技術を「遠隔操縦式無人飛行体」(2014年12月8日公開)として特許出願している。
一般にはドローンは無線式の操縦システムを搭載している。ところが、山岳地、市街地、建物内部などで防災や防犯などに使おうとすると、無線通信環境の悪い場所で操縦不能になることもある。こうしたことから、場合によって有線式が有効とみられ、米紙の報道では米軍も偵察用に採用しているという。