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三島由紀夫が予言した「からっぽの極東の一経済大国」すら危うい

東京・市ケ谷の自衛隊駐屯地に乱入、バルコニーで演説する三島由紀夫=1970年11月25日
東京・市ケ谷の自衛隊駐屯地に乱入、バルコニーで演説する三島由紀夫=1970年11月25日

 作家の三島由紀夫が東京・市ケ谷の自衛隊駐屯地で割腹、自決してから45年経った。三島はその4カ月前に産経新聞に寄稿し、「このまま行ったら日本はなくなって、その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済大国が極東の一角に残るのであろう」と警告した。(夕刊フジ

 資本主義経済では、どの国でも、どの時代でも企業の金もうけ動機が幅を利かせ、企業人はニュートラルで抜け目がないのが普通だから、戦後日本だけがそうだとは言えない。それでも、経済の思想というものは別である。

 経済思想とは、国家の経済を引っ張っていくエリートが主として担う。まずは自国民を富ませる。他国から不当な手段で富を収奪されることを防ぐと同時に他国の経済発展に貢献するという考え方である。政官財学の指導層は本来、こうした責務を負っているはずである。指導層がその責任を果たさないのなら、三島の予言にある「からっぽの極東の一経済大国」にすら、とどまるのが危うくなる。

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