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「京菓子」をテーマにした今年の祇園東の秋の踊り「祇園をどり」(11月1~10日)もまた格別だった。そんな中、一番に目を見張ったのが、舞妓(まいこ)さんがソロで奏でる琴の音色に合わせて芸妓(げいこ)さんが舞うという場面だった。
1日2公演のため10日間で全20回。祇園会館につめかけた満員の観衆を前に演奏の質を保ちながら、琴を弾き続けるのは並大抵のことではないだろう。
そして琴を舞台でずっと演奏し続けたのが、今回のこの欄に登場してくれた富多愛(とみたえ)さん。祇園東で年長の舞妓さんだ。
公演初日と4日目、8日目と見て、いずれも精度の高い、見事な演奏ぶりに驚き、感激もした。
そして千秋楽。ちょっとしたアクシデントで生演奏が聴けなかったのが残念だったが、「その分はお座敷で」と19日、次の舞台をお茶屋「叶家」に移し、富多愛さんの舞を観賞することにした。
そのときは、琴にちなんであのおなじみの菓子「八ツ橋」を持参し、「あの演奏は本物や、な?」などといたずらっぽく質問をぶつけてもみた。
すると、さすがお姉さん舞妓の富多愛さん。「ほんもんどす」とサラリとかわすと、すかさず、「もう毎日が緊張の連続どした」とふんわりとした笑顔をせる心憎さ。