インタビュー

サリン事件取材に奔走 知らない世界を伝えたい 上野浩之さん(下)フジテレビ社会部長

 日本の地下鉄で有毒ガスの無差別テロ。現場での感覚は「何が何だか全く分からなかった」という。サリンという言葉も耳にしたが、目の前の惨状と結びつかない。分からないまま、オウム真理教の教団施設の家宅捜索、麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚の逮捕と取材に走った。逮捕時には、山梨県上九一色村(現富士河口湖町)の教団施設から連行される車中の麻原死刑囚を見た。紫色の衣装が目に焼き付いた。

 その後、司法記者クラブに移り、麻原死刑囚の裁判を担当。事件をずっと見てきた立場だが、「今もあの事件が何だったのか分からない」という。記者になった動機である知らない世界を目の当たりにした。

 14年から5年間はカイロ支局長としてエジプトに赴任。イラク戦争で、月の半分は銃声の聞こえる中東地域など各地を飛び回った。「イスラム文化は、日本人にとって全くの知らない世界。アフリカにも行きたかったが、イラク戦争の取材で忙しくて…」と振り返る。

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